沖縄電力(浦添市)が10年ぶり5度目となる東京ドームへの切符をつかみ取った。3日に沖縄セルラースタジアム那覇で開かれた、社会人野球の第95回都市対抗大会九州地区2次予選の第2代表決定トーナメント決勝で、沖電が6―1で西部ガス(福岡市)を下した。沖電は三回に犠飛で1点を先制し、四回に敵失間に1点を加えた。五回2死1塁で金城秀一郎の2点本塁打が飛び出し、4―0と差を広げた。六回に相手のソロ本塁打を浴びて1点を返されたが、八回に小濱佑斗の適時二塁打、九回に平良大悟の適時打で追加点を奪った。先発の當山昇平は7回を1失点に抑える好投をみせ、継投した亀里基が無失点に抑えて勝利をつかんだ。東京ドームでの都市対抗大会本戦は7月19~30日に開催する。
金城、起用応える2点弾 本戦の切符 引き寄せる
梅雨の晴れ間にかかったアーチが勝利を大きく引き寄せた。五回に指名打者の金城秀一郎が右翼席へ本塁打を放った。10年ぶりに東京ドームへの切符をつかみ「うれしいの一言だ。報われた」と頬を緩めた。
沖電は初回から三塁に走者を進めるなど好機をつくった。チームは三回に犠飛で先制。四回に先頭で立った金城は遊ゴロに倒れたが「(次に)つながるな」とスイングに手応えを感じていた。チームはこの回、敵失で1点を追加しリードを広げた。
迎えた五回の攻撃。相手は150キロ前後の直球を放つ速球派をマウンドに送った。2死一塁で打席に立った金城は「攻めの気持ちでいった」。
初球の外角直球をフルスイングすると、打球は風に乗って右方向へ伸びた。「確信した」と拳を突き上げ、ゆったりとダイヤモンドを回った。
今大会初先発に起用され、平田太陽監督から「思い切りいってこい」と背中を押された。「雨の中でもいけるよう準備していたので、巡ってきた好機で流れをつかめた。起用に応えられた」と胸を張る。
本戦出場を喜ぶも「チームは日本一を掲げている。まずは1勝だ」と新たな目標を見据え、闘志を燃やしていた。
(名波一樹)
▽第2代表決定戦
沖縄電力(浦添市)
001 120 011│6
000 001 000│1
西部ガス(福岡市)
(沖)當山、亀里―山川
(西)田中、林田、村田、高椋―金澤
▽本塁打 金城秀(沖)永利(西)
地元の声援が力に
沖縄電力の平田太陽監督の話 感無量だ。苦しい時期もあったが、支えてくれた人たちや地元開催の声援が力になった。これまで東京ドームで1勝もできていない。結果は挑戦の末に出てくる。一戦必勝で、沖縄のチームも全国で通用することを見せたい。