全九州高校体育大会は16日、九州各地で行われた。重量挙げは男子102キロ超級で山城慎太郎(沖縄工)がいずれも大会新記録となるスナッチ115キロ、ジャーク145キロ、トータル260キロを挙げて優勝した。同102キロ級の石川太陽(嘉手納)はスナッチで125キロの大会新記録を出し、トータル275キロで1位だった。同81キロ級は安良城龍虎(宮古)が頂点に立った。
「失敗考えなかった」
「九州で1位を取りたかった」との言葉通り、山城慎太郎(沖縄工3年)は、男子102キロ超級の全3部門で大会新記録を樹立した。県総体は102キロ級での出場。2週間での階級変更に「ライバルが常にちらついていたから」と苦笑いした。
スナッチは序盤から107キロを失敗した。「ゆっくりしすぎていた。制限時間ぎりぎりで慌ててしまった」と反省した。2本目で成功させ、3本目で大会新記録となる115キロに挑んだ。
試技台に上がると天井を見上げ、両手を大きく広げながら深呼吸。呼吸とタイミングを合わせ、力強く持ち上げた。差し上げる瞬間、苦しそうな表情を見せたものの、ぐらつくことなく体勢を維持した。持ち上げながら成功を確信する笑みがこぼれた。
ジャークは確実に持ち上げることができる135キロからスタート。2本目は大会新記録を狙い、一気に10キロ上積みした。「(145キロは)練習でも挙げている。失敗するという考えはなかった」と振り返った。クリーン時の肘を曲げたときの角度を意識し成功。最終試技は目標の150キロに挑戦したものの、惜しくも失敗した。
スナッチ120キロ、ジャーク150キロを目標に掲げている。下半身の強化に取り組み、全国総体ではメダルを取りに行く。
(渡真利優人)
安良城(宮古)81キロ級V
試技前に自分を奮い立たせるガッツポーズを見せた男子81キロ級の安良城龍虎(宮古3年)は2部門で自己ベストを更新しての栄冠に輝いた。「『絶対優勝』が目標だった。うれしい」と達成感を口にした。
スナッチは確実に記録が取れる98キロからスタート。調子の良さを感じ、2本目で自己ベストを上回る102キロ、3本目で105キロを提示。構えでは足で地面をしっかりとつかみ、力を伝えることを意識した。「105キロも軽く感じた」と振り返った。
流れに乗ると、ジャークでも3本目に自己ベストを2キロ上積みした130キロを成功させた。「6本全て成功することができて良かった」とうなずいた。
県総体から2週間後の九州大会に間隔の短さを感じつつも、メリハリをつけた練習を意識してきた。全国総体では6位以内入賞を目標に掲げる。「足腰を強化し、きれいなフォームを意識したい」とさらなる成長を誓った。
(渡真利優人)
石川(嘉手納)スナッチ大会新 102キロ級
「よっしゃ」と自身を鼓舞し試技台へ向かった石川太陽(嘉手納3年)が、男子102キロ級スナッチで大会新記録となる125キロをマークした。成功の判定ランプが光り、歓声に沸く観客席に向かってガッツポーズで応えた。
1本目で115キロ、2本目で120キロを難なくクリア。3本目で122キロを提示したものの、125キロに上積みし挑戦した。バーベルを前に移動させ、シャフトのつかむ位置を慎重に探った後、呼吸を整えて一気に持ち上げた。練習で体幹を鍛え込んだ成果もあり、差し上げる瞬間のぐらつきもなく、安定した試技で大会記録を塗り替えた。「今日は調子が良かった。記録を狙えると思った」と達成感をにじませた。
ジャーク3本目には大会新記録となる159キロへ挑戦したものの、クリーンに乗せることができなかったが、「肩まで上げることができたのは大きな成長だと思う」と自信を深めた。
地元開催ならではの声援の大きさに「気持ち良くできた」と笑顔で汗を拭った。
(渡真利優人)
調子悪かった
女子64キロ級でトータル2位の手登根海舟(宮古3年) ジャークの調子が悪く、クリーン時のフォームが崩れていた。2本目でシャフトをつかんだものの、手が滑ってしまい握り直した。バーベルも重く感じ、納得できる内容ではなかった。7月の全国高校女子競技会に向けて練習を詰めたい。
(豊見城高校)
【男子】
▽81キロ級 (1)安良城龍虎(宮古)トータル235キロ(スナッチ105キロ、ジャーク130キロ)(11)当山琉星(嘉手納)181(76、105)
▽89キロ級 (5)仲地叶(嘉手納)201(95、106)
▽96キロ級 (6)長嶺彰裕(糸満)200(90、110)
▽102キロ級 (1)石川太陽(嘉手納)275(125=大会新、150)(4)稲嶺直歩(糸満)115(50、65)
▽102キロ超級 (1)山城慎太郎(沖縄工)260=大会新(115=大会新、145=大会新)(7)桃原結翔(糸満)110(45、65)
【女子】
▽64キロ級 (2)手登根海舟(宮古)142(66、76)