全九州高校体育大会は17日、九州各地で行われた。テニスはシングルス決勝では井手葵(沖縄尚学)が水口由貴(同)に8―4で勝利した。井手と水口が組んだダブルスは決勝で辻さくら・小田凜花(大分)を8―1で下した。団体決勝は沖縄尚学が鳳凰(鹿児島)に2―0で勝利した。井手はシングルス、ダブルス、団体の3冠となった。
井手が九州3冠 シングルスの同校対決制す
井手葵(沖縄尚学2年)がシングルス、ダブルス、団体の初の九州総体3冠を成し遂げた。「同じ高校の強い先輩がいるシングルスも勝てて、ダブルス、団体も取れたのがうれしい」と声を弾ませた。
シングルス決勝の相手は、ダブルスのペアでもある水口由貴(同3年)。試合は井手のファーストサーブの入りが悪く、セカンドサーブを水口に決められた。水口のサービスゲームでは井手がリターンエースを決めるなどし、互いにブレークし続けた。迎えた第6ゲーム。井手は速さを重視したサーブからコースを打ち分けるようにした。そこから3球目攻撃を決め、この日初めてサービスゲームをキープした。その後も水口のサービスゲームをブレークした井手が試合を優位に進めて勝利をつかんだ。
水口と組んだダブルス決勝はストローク、ボレーともに互いが役割を果たし、優位に進めた。団体決勝は井手が「先に1勝して士気を上げたかった」と相手に1ゲームも与えず完勝し、いい流れをつくった。
全国総体では団体とダブルスに出場予定だ。ダブルスは先輩の水口が昨年全国制覇したが「連覇は意識せず、いつも通りに」と話す。一方、団体に懸ける思いは強い。「全国総体での優勝はまだないので、この代で初の日本一を取りたい」とチーム一丸となって全国の頂点を取ることを誓った。
(屋嘉部長将)
全国の頂点へ「通過点」
全国総体での女子団体優勝を狙う沖縄尚学が安定の試合運びで九州総体を制した。
主将の水口由貴(3年)は「今回の優勝は最終目標ではなく、通過点」と気を引き締めた。
決勝は3面同時進行となった。そこでシングルス2の井手葵が8―0と圧勝し、流れを作る。シングルス1の水口は足の痛みがあったことから、早期決着を選択。サーブでコースを狙い、相手のリターンを強打する戦術がはまった。8―3で勝利し、チームの優勝を決めた。
主将の水口が1年生の時に全国総体で団体準優勝するも、昨年はベスト8と悔しい思いもした。現在のチームは技術はあるものの「勝ちたい気持ちを押し出すことが必要だ」と水口。「個人のプレッシャーも大きくなるが、沖尚らしく明るくのびのびやりたい」と自然体で全国の頂点を狙う。 (屋嘉部長将)
(16~17日、福岡県・博多の森テニス競技場ほか)
【男子】
▽シングルス準々決勝
浅田紘輔(宮崎) 8―0 喜久川楓(沖縄尚学)
【女子】
▽シングルス決勝
井手葵(沖縄尚学) 8―4 水口由貴(沖縄尚学)
▽ダブルス決勝
井手葵・水口由貴(沖縄尚学) 8―1 辻さくら・小田凜花(大分)
▽団体決勝
沖縄尚学
2―0(単2―0,複0―0)
鳳凰(鹿児島)