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「沖縄の子に活躍見せたい」デフバレー日本代表・眞謝、地元開催で闘志 世界選手権、きょう20日開幕


「沖縄の子に活躍見せたい」デフバレー日本代表・眞謝、地元開催で闘志 世界選手権、きょう20日開幕 村井貴行監督(左端)から指示を受ける県出身の眞謝茂伸(右端)ら(日本デフバレーボール協会提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 20日に開幕する「デフバレーボール世界選手権2024沖縄豊見城大会」に、男子日本代表として豊見城市出身の眞謝茂伸(24)が出場する。国内では初めての開催となる今大会を前に眞謝が18日、本紙の取材に応じた。「沖縄の子どもたち、特に耳の聞こえない子どもたちに活躍する姿を見せたい」と手話で意欲を語った。

 デフバレーボールは一般の6人制と同様のルールで行う。手話やジェスチャー、口話を駆使して戦術を展開する。

 眞謝は身長177センチで最高到達点は310センチ。ポジションはライト。小学3年から地元のクラブチームで健常者に混じり、バレーを始め、中学・高校では学校の部活動で汗を流してきた。

デフバレーボール世界選手権に出場する男子日本代表の眞謝茂伸=18日、豊見城市

 デフバレーとの出会いは沖縄国際大1年の時。父から「知り合いにデフバレーの日本代表がいるけどやってみないか」と参加を勧められた。知り合いとは2017年の夏季デフリンピックの女子日本代表で、リベロとして活躍していた豊見城市出身の高良美樹だった。世界で戦う高良に憧れ、コミュニケーションの取り方など独特のデフバレーに面白さを感じたことから、社会人チームに加わり練習に励んだ。

 大学2年の時には、日本代表強化合宿に招集されたものの、当時は新型コロナウイルス感染症拡大のまっただ中で参加を辞退。卒業後に愛知県に移住し、現在、同県を拠点に活躍するデフバレーチーム「愛天翔(あいてんしょう)」に所属する。子どもの福祉に携わる仕事をしながら、週1回の練習に励んでいる。2022年11月から強化合宿に参加し、選考会を経て日本代表に内定した。

 ライト攻撃でコースを打ち分け、強弱をつけたスパイクが持ち味。「相手に気づかせないフェイントも工夫してきた」と胸を張る。「常に全力集中」が自身のモットーだ。

 海外の長身の選手に対して、チームとしては守備の精度を高める練習をしてきた。「ブロックとレシーブの強化に重点を置いてきた。どんなボールでも拾えるように攻守の切り替えにメリハリをつけている」と実感を込める。

 デフバレー日本代表の歴史が始まった沖縄での大会。さらに出身地である豊見城市での開催に「とてもうれしい。一般のバレーとは違うジェスチャーを交えたコミュニケーションや選手の表情に注目してほしい」と訴える。

 大会に向け「スピード感のあるバレーで世界と対峙(たいじ)できればと思う。沖縄の子どもたちに活躍する姿を見せたい。目指すのは優勝」と一試合一試合全力を誓う。

 20日にシャボン玉石けんくくる糸満で開会式が行われ、男子日本代表の初戦は21日、イランと対戦する。

 (渡真利優人)