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快挙!男子のみで出場の与那国が総合・男子総合のW優勝 島一丸で全国へ<県中学総体・陸上>


快挙!男子のみで出場の与那国が総合・男子総合のW優勝 島一丸で全国へ<県中学総体・陸上> 初の総合優勝を果たした与那国中のメンバー=7日、タピック県総ひやごんスタジアム(古川峻撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 県中学校総合体育大会先行競技の陸上が7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、男子のみの選手で出場した与那国中が総合優勝と男子総合優勝を成し遂げた。与那国中は男子共通400メートルリレーで優勝し、全国出場権を初めて獲得した。女子3年800メートルは金城心晴(黄金森AC)が2分21秒で、男子3年1500メートルは周〓文が4分10秒58でそれぞれ頂点に立った。いずれも大会新記録だった。


島一丸、快挙を達成

 男子共通400メートルリレーで与那国中のアンカー、相田理公主将(3年)が1位でフィニッシュすると、バトンを持つ手を突き上げた。「みんなで絶対に勝とうと思っていた」。スタンドの与那国勢が沸いた。逆転で同校初の総合優勝を飾り、リレーの全国初出場を決めた瞬間だった。

 6月の県大会で5種目制覇するなど躍進を続ける与那国。今では全校生徒33人のうち18人が陸上部だ。男子共通走り高跳びで2位だった1年の垣内歩夢は「陸上が好きだったし、新聞でよく見て先輩に憧れた」と入部理由を語る。

 豊見本宏樹監督が昨年4月に赴任してメニューが変わり、記録が伸びると大会出場の機会も増えた。地域で盛り上がり、男子共通砲丸投げ2位だった前大舛晄大(2年)は「学校で砲丸投げは1人だけだけど、毎日のようにOBや先生が教えてくれる」と支えを実感する。

 リレーと三段跳びの2冠を達成した入慶田本朝誉(3年)は「自分がここまで通用すると分かった」と自信を深めた様子。初のリレーでの全国出場に「わくわくしている。自分たちの力を試したい」と世界の広がりを実感する。離島育ちの県代表が大舞台でバトンをつなぐ。

 (古川峻)

標準切れず悔しさ

 男子3年1500メートルを4分10秒58の大会新記録で優勝した周〓文(上山中)の話 最低限、大会新を更新したことは良かったが、全国標準記録を切ることができず悔しい。2周目でペースをもっと上げるべきだった。この暑さで粘れたことは自信になった。

ライバルに勝ちたい

 女子2年100メートル予選で大会新の12秒85を出した奥間玲香(GROWTH)の話 前の大会を風邪で棄権し、焦りがあった。うまく追い風に乗って大会記録を出せたのがうれしい。九州ではライバルの池原綺声に勝ちたい。九州後はタイムを伸ばしたい。

金城(黄金森AC)大会新V 女子3年800 ラスト100を粘走

 女子3年800メートルの金城心晴(黄金森AC)はラスト100メートルで「足がもげるくらい頑張った」。課題だった終盤のペースダウンを克服し、2分21秒で大会新記録を更新。「新記録はひっそり狙ってた」と笑顔がはじけた。

 昨年のこの大会で出した自己ベスト以降伸び悩み、3年生になってサボりがちだった自宅での下半身強化を再開。成果は表れ、練習のインターバル走が息切れしないように。本番は「最初から誰も1位にさせない」とトップを維持し、ラスト100メートルで粘走した。

 九州へ向け、これまでの重心を上げる自主トレーニングを継続し、甘い食べ物も我慢するつもりだ。九州での決勝進出はいまだない。「九州のレベルは同じくらい。1位になったらいいな」と意欲を燃やした。

 (古川峻)

池原(金武)女子2年100で栄冠 予選大会新も決勝で伸びず

 女子2年100メートル予選で12秒85の大会新記録を出した池原綺声(金武中)。「まだ行ける」と決勝に集中するため、200メートルの決勝は棄権した。だが雷雨で競技が一時中断し、再開した時は向かい風に変わっていた。12秒92で惜しくも決勝は予選の記録を超えられなかった。

 それでも決勝は会心の走りを見せた。スタートで飛び出し、その勢いのまま中盤で加速。群を抜いてフィニッシュした。「いい調子で走れた。だからこそ全国標準記録を切りたかった」と悔しそうに話した。

 膝下から垂直に地面を踏み込むよう、走る技術を磨いていく。伸び盛りの2年生は「九州では12秒5台を目指す」と意気込んだ。

 (古川峻)

※注:〓は左側に「山」の下に「己」、右側に「几」