KBC八回突き放す　内田、成果実感の一打　先制スクイズに勝ち越し打　夏の甲子園県大会第8日

　第106回全国高校野球選手権沖縄大会第8日は13日、沖縄セルラースタジアム那覇などで3回戦8試合を行い、8強が決まった。浦添商は読谷を7―1で下した。KBCは具志川商を5―1で破った。与勝は宮古総実・宮古工を10―6で下した。エナジックは沖縄尚学に7―0で七回コールド勝ちした。ウェルネス沖縄は前原に5―2で、北山は西原に5―1で勝利した。興南は普天間に2―0で、知念は八重山商工に4―3で競り勝った。14日は同会場などで準々決勝4試合を行う。

　昨秋、今春と8強入りを逃してきたKBCが地力を発揮した。シード校を破った具志川商を相手に、5番・内田凱万が好機で先制スクイズと勝ち越し打を成功させた。「誰よりも練習した内田が打てなかったらしょうがない。伸び率ナンバーワンだ」（神山剛史監督）と信頼に応える活躍で8強入りを引き寄せた。

　先制は四回だった。ここまで得点圏に進めていなかったが、やっとつかんだ1死一、三塁の場面。内田が変化球に合わせてスクイズを決め、1点をもぎとった。

　七回に同点とされ、直後の八回2死一、二塁の好機で内田に打順が巡った。バットを短く構え、内角へ飛び込んできたボールをたたきつけると、打球は三塁手の頭上を抜けて左翼へ。二走が本塁に生還した。「新基準バットに移行してから強い打球を意識してきた」と練習の成果を実感する。

　チームは夏に向けて数字を用いながら実戦練習を徹底してきた。6月には福岡に遠征するなど、夏に結果を残すため汗を流し続けた。神山監督は「常に意識を改革してきた」と振り返る。内田は「（次戦も）好機で一打を出したい」と頼もしい表情で頂点を見据えた。

　（名波一樹）

●最終回に三塁打を浴びせた具志川商の宇地原也季斗主将　悔しいが最後までやりきれた。諦めず絶対に勝つと思っていた。ここまでやってきたチームメイトや保護者、監督に感謝の思いしかない。後輩たちには、8強の壁を越えてほしい。