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全国に家族と挑む ボクシング 根間空志 父と二人三脚で真っ向勝負 足使った攻めで頂点へ 九州北部総体


全国に家族と挑む ボクシング 根間空志 父と二人三脚で真っ向勝負 足使った攻めで頂点へ 九州北部総体 トレーナーの父・仁さん(左)を相手にミット打ちする根間空志=19日、那覇市西のウィナーボクシングジム(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 全国高校総合体育大会・北部九州総体が27日、開幕した。県代表には、競技経験者で、全国総体に出場経験のある親や兄弟から指導を受ける選手もいる。家族のサポートを得ながら、全国の高い壁に挑む選手たちの思いを紹介する。


 那覇市西にあるウィナーボクシングジム。「沖縄ボクシングの父」と呼ばれた名伯楽、故・金城眞吉さんの大きな肖像写真に向かって一礼し、リングに向かうのは男子バンタム級に出場する根間空志(陽明高支3年)だ。「高校ラストの年に有終の美を飾りたい」と闘志をみなぎらせている。

 3年連続の全国総体出場。ライトフライ、フライ、バンタムと、体の成長に合わせて階級を上げて挑んできた。昨年は鹿児島国体にも出場したものの、全国の高い壁が立ちはだかった。当時を振り返り「悔しかった」と唇をかむが、ハードな練習に励む原動力にもなっている。

 最大の武器は「足を使った攻め」だ。圧倒的な足のスピードで相手の懐に入り込み、パンチを繰り出す。速さを武器に持つ選手が多いバンタム級。「スピードに対してはスピードで挑まなければならない」。そう話すのは父でトレーナーの仁(まさし)さんだ。自身もインターハイと国体出場経験を持ち、空志の成長を見守ってきた。

 練習では階級の重いライト級の選手とのスパーリングを挑む。「気を抜くな。(脇を)絞れ」と仁さんからげきが飛ぶ。スパーリングの後はサンドバッグにコンビネーションを打ち込む。練習の締めは父とのミット打ち。心拍数が上がる中、自分を限界まで追い込む。

 ボクシング仲間で昨年の鹿児島国体で準優勝した川端響也(名護商工高出―日体大)からも精神面でアドバイスをもらっているという。「尊敬する先輩です」と笑顔をのぞかせる。

 「全国を相手に勝つ」。親子二人三脚で真っ向勝負に挑む。

 (渡真利優人)