【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は13日、九州各県で行われた。大分県で行われた柔道では、女子48キロ級の大山瑠月(沖縄尚学)は1回戦で桃園愛芽(神奈川)と対戦したが、合わせ技で敗れた。52キロ級の石川絢弥千(那覇西)は1回戦で堀川祐里(新潟)を合わせ技で下したが、2回戦で対戦した東口心彩(大阪)に反則負けした。57キロ級の名城優瞳(沖縄尚学)は1回戦で清水優花(鳥取)を背負い投げで下したが、2回戦で三木にこ(静岡)に縦四方固めで敗れた。
「いい負け方」宿敵に好試合
沖縄尚学の大山瑠月(3年)が柔道女子個人戦48キロ級の1回戦で因縁の相手と対戦した。敗れはしたものの、技ありで先行するなど奮闘した。
対戦相手の桃園愛芽(神奈川)とは、大山が2年の時に練習試合で戦った。「ぼこられた」(大山)と言うほど、こてんぱんにされた強敵だった。総体で対戦が決まると、大山はひそかに闘志を燃やしていた。
試合開始早々、組み合うと、大山はすかさず背負い投げを敢行。相手がひるんだ隙に間髪入れず、左手で帯を取り、腰技を繰り出して技ありを奪った。
さらに攻勢をかけ続けたが、逆に技ありを取られた。だが、映像判定の結果、相手の技ありは取り消され、試合は終盤まで大山が優勢のまま進み、勝利は目前に見えたかに思えたが、激しい攻防の中で相手の足技で崩され技ありを取られる。本戦3分間で勝敗がつかず時間無制限の延長戦「ゴールデンスコア」に。大山は腰技などで積極的に攻め続けたが、一瞬の隙に小外刈りを掛けられた。返し技を仕掛けた大山と相手とがほぼ同時に倒れ込み、映像判定に。結果は相手の技ありが認められ、4分39秒に及ぶ死闘に決着がついた。
高校最後の大会で初戦を突破できず、控室で涙を流した大山だが、卒業後は「柔道はやめます」ときっぱり。全国の晴れ舞台で宿敵を相手に延長戦にもつれ込んだ試合を振り返り、「いい負け方だった。技ありも取れたので、成長できたかな」と涙を拭った。
(ジャン松元)
レベルが高かった
女子個人52キロ級2回戦で敗退した石川絢弥千(那覇西2年)の話 1回戦の相手は研究通りに倒せた。2回戦は相手のスピードが速すぎて攻めきれず「指導」を受けてしまった。初の全国総体は沖縄と違い、組み手や打ち込みなどレベルが高かった。来年も出場できるよう頑張る。
(大分県レゾナック武道SC)
▽女子48キロ級1回戦桃園愛芽(神奈川・桐蔭学園)合わせ技大山瑠月(沖縄尚学)
▽同52キロ級1回戦石川絢弥千(那覇西)合わせ技堀川祐里(新潟・新潟第一)
▽同2回戦東口心彩(大阪・常翔学園)反則勝ち石川絢弥千(那覇西)
▽同57キロ級1回戦名城優瞳(沖縄尚学)背負い投げ清水優花(鳥取・八頭)
▽同2回戦三木にこ(静岡・浜松西)縦四方固め名城優瞳(沖縄尚学)