美来工科は延長にもつれ込む激戦を落とした。
第4クオーター(Q)の終了間際、美来工科は3点リードしていた。しかも、マイボールでスローインの場面。試合終了までボールを保持すれば勝利が訪れるはずだった。ところが、相手にパスをカットされ速攻を受けた。3点シュートを放つ相手をファウルで止めると、空気ががらりと変わった。
相手のフリースローは3本。1本目は外れ、2本目は入った。2点差でフリースローは残り1本。相手は3本目をわざと外し、リバウンド争いに持ち込んだ。混戦の中で相手の同点ゴールが決まり、美来工科の勝利は目前で消えた。流れは完全に相手に傾き、延長戦で力尽きた。
同点に追いつかれた場面について、主将の玉城宏逢は「3本目のフリースローを外してくるというのは頭にあった。それでも対処できなかった」と肩を落とした。高さで劣るため、試合は終始、リバウンド争いに敗れていた。最後の局面は敗因が端的に表れていた。
負けはしたが、収穫もあった。鋭いカットインや素早いパスワークで相手を翻弄(ほんろう)した。玉城は「課題も感じたが、チームのいいところも知ることができた。もう一度全国でリベンジしたい」と、ウインターカップでの雪辱を誓った。
(稲福政俊)
(福岡県照葉積水ハウスアリーナほか)
▽男子1回戦
近大付(大阪)
77―71(17―13,10―16,20―18,16―16,延長14―8)
美来工科