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興南(男子)粘って3回戦へ シーソーゲーム 守備力が生きる 北部九州総体・ハンドボール


興南(男子)粘って3回戦へ シーソーゲーム 守備力が生きる 北部九州総体・ハンドボール 興南―不来方 相手の守備をはねのけながらシュートを決める興南の赤嶺尚太朗=9日、福岡県久留米市の久留米アリーナ(稲福政俊撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 稲福 政俊

 【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は9日、九州各県で行われた。ハンドボールは2回戦が行われ、男子興南は不来方(岩手)を28―25で下した。女子浦添は境(鳥取)に32―18で勝利し、ともに3回戦進出を決めた。


 興南が不来方(岩手)との2回戦を接戦で制した。1点を争う攻防で勝敗を分けたのは守備力。主将の比嘉泉稀は「粘り勝ち」と、緊迫したシーソーゲームを振り返った。

 序盤は1対1から抜かれて失点していたため、途中から守備のシステムを3―2―1に変更。走り込まれるスペースを消して失点を減らし、14―14の同点で前半を折り返した。

 後半、興南は退場者を出すと同時に相手にペナルティースローを与えるピンチを迎えた。失点すれば同点の場面で、正GKの喜名志成に代わって入った玉城幸次郎がシュートを止めた。その後に戻った喜名も立て続けに好セーブを見せた。2人のGKがビッグセーブを連発した約6分間にリードを奪い、ゲームの主導権を握った。

 終盤に相手がキーパーを下げて7人攻撃を仕掛けてきた場面も、焦りはなかった。人数の多い相手より多く動いてボールを奪い、無人のゴールにシュートを決めた。7人攻撃は、春の選抜で敗れた北陸(福井)も使う戦法。北陸対策で磨いた守備が生きた。

 攻撃面では、1回戦は緊張で精彩を欠いた大型左腕の赤嶺尚太朗が積極性を見せた。相手に囲まれながらも、その上から豪快にシュートを放った。3回戦の相手は打倒を誓う北陸。赤嶺は「強い気持ちで行く」と力を込めた。

 (稲福政俊)


堅守速攻で2回戦突破 女子・浦添

 ハンドボール女子の浦添は、持ち味の堅守速攻を発揮し、危なげなく2回戦を突破した。

浦添―境 厳しいディフェンスで相手のボールを奪う金城彩佳

 試合開始直後から又吉叶や金城彩佳らがフットワークのいい守備で相手のボールを奪い、比嘉柑奈や又吉虹歌らが得点を挙げた。1回戦は試合の入りが重かったため、この日は試合前にゲーム形式などの「(気持ちが)上がる練習」(又吉叶)を取り入れ、序盤から全開でプレーした。

 応援席では下級生が声をそろえてリズミカルに「1本取って3秒で速攻」の声援を送った。声援を体現するかのように、浦添は激しい守備から何度も速攻を繰り出し、ゲームを支配した。後半に入っても勢いは衰えず、点差を引き離した。

 3回戦は、強豪ひしめく関東勢の横浜平沼(神奈川)が相手だ。主将の又吉叶は「ノーマークでシュートを外すなどのミスがあった。3回戦はミスをなくさないといけない」と気を引き締めた。

 (稲福政俊)