【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は12日、九州各県で行われた。大分県で行われた柔道では、女子団体の2回戦から沖縄尚学(宮里心寧・伊東愛姫・三浦直美)が登場し、1―1で代表戦までもつれ込んだが、代表戦で敗れ、3回戦進出はならなかった。男子90キロ級の玉城大和(沖縄尚学)は2回戦で津本隼冴(千葉)と対戦したが、僅差で敗れた。81キロ級の照屋凜(沖縄尚学)は2回戦、100キロ級の宮城祐雅(那覇西)は1回戦、100キロ超級の渡慶次倫生(沖縄尚学)は2回戦でそれぞれ初戦で敗れた。
代表戦もつれ込むもあと一歩
初戦の女子団体2回戦に挑んだ沖縄尚学。代表戦までもつれ込んだが惜しくも3回戦進出に届かなかった。
先鋒(せんぽう)の宮里心寧(3年)が「いつもは焦ってしまうが落ち着いてできた」とけさ固めで勝利し、いい流れをつくった。中堅の伊東愛姫(3年)は40キロ以上体重差のある相手に攻めるも相手の圧力をさばききれずに、内股で敗れた。大将の三浦直美(3年)は「自分が勝って次につなげる」と臨んだが、激しい組手争いで双方とも決め手を欠き、引き分けで代表戦にもつれ込んだ。
「主将に任せる」(新垣琢也監督)と託された宮里だが、相手の組み手の圧力に押され、先に指導を取られた。そこから攻めに転じ、得意の内股を仕掛けたが、重心が不安定になった瞬間に倒されて技ありを奪われ、そのまま逃げ切られた。
敗戦後、思わず涙があふれた3人。宮里は「明日(3回戦)につなげたかった」とぽつり。13日からは個人戦が始まる。「チーム一人一人が自分の柔道をやって一つでも上に行きたい。3年間やってきたことを出し切りたい」と前を向いた。
(屋嘉部長将)
思うような展開できず 男子90キロ級玉城 技ありが無効に
男子90キロ級2回戦に勝ち進んだ玉城大和(沖縄尚学3年)は、技ありの判定が取り消された後、思うような試合展開ができずに延長で二度目の指導をもらい、僅差で敗れた。
10日の団体戦は緊張で動きが硬かったというが、個人戦は1回戦から緊張がほぐれ、2回戦はいい緊張感を保ちつつ試合に臨んだ。
2回戦は組み手で有利な展開をつくろうとしたが、想定以上だった相手の力、スピードを警戒するあまり、消極的だとして一度目の指導を受けた。その後は相手の組み手にも慣れ、得意な背負い投げに持ち込めそうな展開もあった。
残り1分30秒を切ったときだった。相手が距離を取ろうとした瞬間、玉城が小内刈りを仕掛け、相手が尻もちをつき技ありの判定。勝利に近づいたかに見えたが、審判団が映像などを確認し、不十分だったとして判定を取り消した。
試合は延長までもつれ、体力を削られていた玉城は思うように攻められず、二度目の指導を受けた。「自分でも(技を)掛けられていない感じがあった」(玉城)。
「動きも良かったし、技も入れていたので悪い試合ではなかった」と前を向く玉城。次戦は10月の国スポだ。「焦って技を掛けるのではなく、落ち着いて自分の柔道をしたい」と切り替え、ベスト4以上を目指す。
(屋嘉部長将)
楽しく終われて良かった
男子100キロ超級で初戦の2回戦で敗れた渡慶次倫生(沖縄尚学3年) 悔しさはあるが、自分から攻められていたのは良かった。組んだ時に自分のところへ引き寄せられずに、相手の得意な距離で戦ってしまった。今回が最後の試合だったが、楽しく終われて良かった。
あまり攻められなかった
男子100キロ級で1回戦で敗れた宮城祐雅(那覇西3年) 相手の組み手がうまく、あまり攻められなかった。技ありから抑え込まれてしまい、あっけない負けで悔しい。全国大会の経験が少なく、緊張して体が硬かった。一つ経験できたのは次につながる。
何もできなかった
男子81キロ級で初戦の2回戦で敗れた照屋凜(沖縄尚学3年) 組み手から相手の技を見ようと思っていたが、組んだ時に技を掛けられてしまった。自分の攻めをさせてもらえなかった。最後の試合だったが、最初から何もできなかったのが一番悔しかった。
(大分県レゾナック武道SC)
▽男子81キロ級2回戦
庄司翔(山形・羽黒) 体落とし 照屋凜(沖縄尚学)
▽同90キロ級1回戦
玉城大和(沖縄尚学) 背負い投げ 西岡大騎(山口・高川学園)
▽同2回戦
津本隼冴(千葉・木更津総合) 優勢 玉城大和(沖縄尚学)
▽同100キロ級1回戦
佐藤然治(静岡・加藤学園) 合わせ技 宮城祐雅(那覇西)
▽同100キロ超級2回戦
時田開仁(愛知・大成) 裏投げ 渡慶次倫生(沖縄尚学)
▽女子団体2回戦
高川学園(山口) 1―1 代表勝ち 沖縄尚学
曽根 けさ固め 宮里○
○菅本 内股 伊東
鈴尾 引き分け 三浦
▽代表戦
○菅本 優勢 宮里