【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は14日、大分県と和歌山県で行われた。柔道は女子78キロ級の三浦直美(沖縄尚学)が酒井結海(栃木)が延長の末、僅差で敗れ、3回戦進出はならなかった。女子63キロ級では1回戦を勝ち上がった伊東愛姫(沖縄尚学)が菊池悠菜(宮城)に延長で技ありを奪われ、2回戦で敗退した。70キロ級の與那はるな(糸満)と78キロ超級の宮里心寧(沖縄尚学)は初戦の2回戦で敗れた。県勢の出場する次の競技は17日から始まる競泳、水球、飛び込みとなっている。
左肩骨折越え奮戦 女子78キロ級 壁厚く総体初勝利ならず
1年前の全国総体をけがで出場できなかった女子78キロ級の三浦直美(沖縄尚学3年)が戻ってきた。2回戦で僅差で敗れ、「高校最後の全国総体で勝てずに悔しい」と唇をかみながらも、どこか表情は明るかった。
2回戦からの試合で、相手の1回戦の様子を見て研究したり、アップで体動かしたりしていた。相手が組み手のうまい選手だったため、有利な組み手をさせないことを考えて試合に挑んだ。
自分から組みに行くも、簡単には組ませてくれなかった。組み手に集中しすぎて、技を掛けるのが少なくなり、指導を取られた。その後は攻めるも延長戦へ。「緊張して息も上がっていた」。相手の様子を見ながら勝負に出たが「掛け逃げのような形になっていた」と2度目の指導が入り、勝利を逃した。
1年生から全国総体に出場しているが、2年生の時は全国総体2週間前の大会で左肩を骨折し、出場辞退した。4カ月間、稽古ができず「悲しくて泣いていた」。
仲間にも支えられ、畳に戻ってきた。全国総体での初勝利を目指したが壁は厚かった。「1勝して監督や家族に恩返ししたかった」。23日から国スポの九州ブロック大会が始まる。「全国で1勝したい」とまずは九州ブロック突破を狙う。
(屋嘉部長将)
組み手はできていた
女子70キロ級で2回戦突破ならなかった與那はるな(糸満3年) 身長の高い相手を研究して組み手はできていたが、技を掛けられなかった。技ありの場面は頭を抑え込まれ、回りが見えない状況で投げられてしまった。今大会で最後なので、柔道で学んだメンタル面を今後の生活につなげたい。
技あり取られ焦り
女子78キロ超級で2回戦突破はならなかった宮里心寧(沖縄尚学3年) 大きい相手のペースにさせず、自分のペースに引き込むかが勝負だった。大内刈りを返されて技ありを取られ、焦りが出てしまい2本目も取られた。高校では結果を残せなかったが大学では全国で自分の名を残せるようにしたい。
伊東(沖尚)惜敗 3回戦に届かず 女子63キロ級、1回戦は勝利
女子63キロ級の伊東愛姫(沖縄尚学3年)は延長の末に2回戦で敗れ、3回戦進出を逃した。
1回戦は動きが悪く中途半端な投げが多かったが僅差で勝利。続く2回戦は、自分に有利な組み手で展開しようと試みたがなかなか組ませてもらえず、互いに決め手を欠き、延長へ。
延長では展開を考えていた隙に投げられて技ありを取られ、優勢負けした。「気づいたら投げられていた」
団体戦の負けもあり「後悔が大きい」と大会を総括。「終盤になるにつれて気持ちで押し負ける。最後まで気持ちを出せるようにしたい」と国スポの九州ブロックへ気持ちを切り替えた。
(屋嘉部長将)
<柔道>
(大分県レゾナック武道スポーツセンター)
▽女子63キロ級1回戦
伊東愛姫(沖縄尚学) 優勢 川本琉稀(鳥取・倉吉北)
▽同2回戦
菊池悠菜(宮城・古川工) 優勢 伊東愛姫(沖縄尚学)
▽同70キロ級2回戦
伊藤妃花(愛媛・宇和島東) 優勢 與那はるな(糸満)
▽同78キロ級2回戦
酒井結海(栃木・国学院栃木) 優勢 三浦直美(沖縄尚学)
▽同78キロ超級2回戦
ジャランタ・アナラ(大分・柳ケ浦) 合わせ技 宮里心寧(沖縄尚学)