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逆境の“波”も乗り越える!病で下半身不随になったパラサーファー、全日本選手権に初挑戦 沖縄


逆境の“波”も乗り越える!病で下半身不随になったパラサーファー、全日本選手権に初挑戦 沖縄 第2回全日本パラサーフィン選手権大会に出場予定の真栄城興和さん=28日、本部町伊豆味
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 【本部】本部町伊豆味の琉球藍染め作家で下半身不随の障がいがある真栄城興和(おきかず)さん(42)が、9月以降に三重県志摩市の国府白浜で開催される第2回全日本パラサーフィン選手権大会(日本サーフィン連盟主催)に初挑戦する。真栄城さんは「やるからには良い結果を残したい。一番を取りたい」と意気込んでいる。

 高校生のころから、サーファーにあこがれていたという真栄城さん。高校卒業後には千葉県の大学に進学し、九十九里浜などでサーフィンに明け暮れた。サーフィンを通して、日に照らされ表情を変える海にも魅了された。いつしか藍染めで海を表現したいと思うようになり、大学卒業後には家業を継いで藍染め作家の道を選んだ。真栄城さんにとって、サーフィンは藍染め作品を作る上で自身と海をつなげる重要な手段にもなっていた。

下半身不随となってもサーフィンを続ける真栄城興和さん=2018年(本人提供)

 真栄城さんは病気により、30歳の頃に下半身不随となった。立ってサーフィンをすることはできなくなり、仕事で使う機織りも両足で踏めなくなったが、真栄城さんは「歩いている人や立ってサーフィンしている人をうらやましいと思うこともある。でも考え始めたらきりがない。(サーフィンも藍染めも)やめようと思ったことは一回もない」と言い、今もリハビリに取り組んでいる。

 「ずっと底辺にはいたくない。これからの人生楽しく過ごしていた方がいいじゃん」。下半身不随のハンディを抱えても真栄城さんは前を向く。「いつか歩いてやる」との思いを胸に、「逆境」という波を乗り越える。

 (金城大樹)