琉球新報社 第74回県高校野球秋季大会は10月5日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝2試合を行う。午前10時開始予定の第1試合は、今大会初の4強入りを果たしたエナジックと、ノーシードから2年ぶりの4強入りとなったウェルネス沖縄が相まみえる。第2試合は昨秋準優勝の沖縄尚学と、ノーシードから12年ぶりの4強入りを果たした宮古が対戦する。決勝へ進出する2校は、大分で26日に開幕する九州地区大会の出場権を得る。同大会は来春、甲子園で行われる選抜大会出場の参考資料となる。センバツへとつながる九州を懸けた4校の戦力や試合の見どころを紹介する。
（名波一樹）
＜見どころ＞
昨秋準優勝の伝統私学・沖縄尚学と4強で唯一の県立高・宮古がぶつかる。沖縄尚学は打率と1試合平均の犠打飛数がトップ。小技も生かす手堅さがある。宮古は打率はやや劣るが、1試合の平均安打数が11．25と4強で最多。積極的に振る姿勢が強みだ。守備は沖縄尚学が平均失策0．33と安定する。宮古は打球に跳びつく好プレーも目立つ。両校とも好投手を中心に守りつつ、自分たちの展開に持ち込めるかが勝敗を分けそうだ。
＜沖尚＞総合力にたけ堅守光る
【攻撃力】
1試合平均得点は7・67と4強で最も高く、総合力にたける。四死球は6・33、犠打飛も3・67とこちらも平均数は4強最多。安打以外でも出塁、進塁の好機をつくって着実に点数を重ねている。3番・新垣瑞稀の打率は5割超え。準々決勝ではチーム初の適時打で逆転勝利を引き寄せるなど、好機で一打を出せる勝負強さもみせた。1番の眞喜志拓斗は、選球眼にも優れる頼れる主将だ。
【守備力】
エース格の1年生左腕・末吉良丞を筆頭に堅守が光る。末吉は最速150キロの直球を持つ豪腕だ。完投能力もあり、ピンチも粘り強く投げ続ける。失点の危機を防いできたのは、野手陣の巧みな守りだ。3試合で失策はわずか1個と最少で、磨かれた守備力をうかがわせる。もう1人の左腕・久高大瑚らもおり、投手層も厚い。勢いのある宮古打線を封じることができれば、勝利が近づく。
［主将談話］選抜への一歩だ
沖縄尚学の眞喜志拓斗主将 次戦の勝利が選抜出場への第一歩だ。主将としても、1打者番としても自分が機能し結果につなげたい。
＜宮古＞逆境強く全戦逆転勝ち
【攻撃力】
ノーシードの宮古は、今大会初戦から全て逆転で勝ち上がった。逆境での強さを支えるのが、随一といえる爆発力を持つ打線だ。1試合平均安打数は4強最多。川満理貴、與儀陽康ら上位打線を始め、火が付くと止まらない。初回に4点ビハインドとなった準々決勝では、川満の三塁打と與儀のサヨナラ打で逆転勝利を引き寄せた。積極的な走塁など、攻撃的な野球で沖縄尚学を打ち崩せるか。
【守備力】
エースナンバーを背負うのは砂川結貴。130キロ後半の直球にスライダーやカーブを交えて打者を三振に切って取る。準々決勝では二回途中から登板。無失点で投げきり逆転勝利に貢献するなど、エースとしての意地を見せた。バッテリーを組むのは捕手で主将の与那覇寛大だ。ガッツあふれるプレーでチームを活気づける。打球に跳びつき、アウトをもぎ取る野手陣の守備も印象的だ。
［主将談話］打撃の自信ある
宮古の与那覇寛大主将 自分たちの野球である打撃で好機をつくり、流れをつかみたい。打撃のチームとしての自信もある。
