<金口木舌>任せっぱなしはよくない


<金口木舌>任せっぱなしはよくない
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 選んだ議員に任せっぱなしでは、主権者としての意識は萎(な)えてしまう。賢人は261年も前にそれを見通していたのはさすが。感心してもいられないか

▼政治哲学者ルソーが「社会契約論」を発表したのは1762年。英国を例に代議制民主主義の弱点を突いた。「(英国人民が)自由なのは、議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるやいなや、人民は奴隷となり、無に帰してしまう」
▼選挙後の変わり身の早さに主権者はあきれる。「選挙の時はうるさいくらい。でも議員になったら見向きもしない」。当選後、政策の手のひら返し。そんなことは米軍基地絡みでもあった
▼生活に関わる政策は議員だけに任せず、主権者側にも打つ手があっていい。「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さんは民主主義の補強策として「国民発議制度」を提案する
▼署名を募り、国会へ政策の発案や拒否権を行使する。必要とあらば国民投票を求める。そうすることで国を変える主権のありかを確認する。任せっぱなしにしないための権利として持っておきたい。