<金口木舌>殻を破れば楽しい


<金口木舌>殻を破れば楽しい
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 カチャーシーをうまく踊る人に憧れる。ひそかに家の鏡の前でやってみても「決まらない」。人目を気にして余計にぎこちなくなりそうだし、祝いの席で手を引かれても恥ずかしくて遠慮してしまう

▼だが分かっている。そういう気持ちを捨て、思うままに楽しく踊ることがこつなのだと。美しく踊る人は、楽しそうな顔をしている

▼そう思う理由は、宜野湾市の「とびんすはにんすカチャーシー大会」の光景を見たから。出演者は唐船ドーイや豊年音頭などの定番曲だけでなく、オリジナル曲も含めて好きな振り付けで舞う。基本の所作をしっかり入れているのは見事だが、同時にかなり自由なのだ

▼大会は「見る祭りから参加する祭りへ」を掛け声に市民団体の提案で立ち上がった。おととし発刊された30周年記念誌によると、カチャーシーは「庶民の喜びを表現する舞」で「市民の文化」。にわかに勇気が湧く

▼コロナ禍で休止が続いたが、1日には4年ぶりに開催される。今年はフィナーレの総踊りに混ざってみよう。再び踊れる喜びをはじかせて。