<金口木舌>ザ・ブルーハーツを聴きながら


<金口木舌>ザ・ブルーハーツを聴きながら
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 娘が使っているクレヨンには「肌色」の呼称がない。今は「薄だいだい」と呼ぶようだ。確かに肌の色は多様だ。以前は何気なく使っていた表現も、時代に合わせて変化する

▼ロックバンド、ザ・ブルーハーツはヒット曲「青空」で歌う。「生まれた所や皮膚や目の色で、いったいこの僕の何が分かるというのだろう」。人種や出身地に縛られず、多様性を受け入れる今の時代にも響く
▼アイルランドで昨年3月、体操大会で黒人少女にだけメダルを授与しなかったことが明らかになった。ネットで動画が広がり批判を集めた。古い差別意識を変えられない人はまだまだ多いようだ
▼県内でも外国人への差別的言動が取り沙汰され、県は条例を制定して対策を強化する。外国人への差別などがあった場合は県に申し出ることもできる。差別の根絶に県民も意識を高めたい
▼外見や習慣、信じる宗教などは人それぞれ。互いに心を寄せ合い、相手を知れば違いも認められる。ザ・ブルーハーツの曲を聴きながら、改めて差別のない社会の実現を願う。