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【知事一問一答】受忍限度を超えている、県民の現実を主張する 辺野古の代執行訴訟に応訴 沖縄


【知事一問一答】受忍限度を超えている、県民の現実を主張する 辺野古の代執行訴訟に応訴 沖縄 国からの代執行訴訟の提起について、「応訴する」と発表する玉城デニー知事=11日、県庁(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認に関する代執行訴訟を国から提起されことを受け、玉城デニー知事は11日に県庁で会見を開き、応訴すると発表した。玉城知事と県弁護団との報道陣とのやりとりは次の通り。

 ―応訴した理由は。

 玉城知事 国の主張とわれわれが主張していることがあまりにも食い違う。われわれからすると県民の受忍限度を超えている状況をこれ以上続けるわけにはいかない。沖縄県の現状に鑑みたわれわれの考えを取りまとめた結果、承認するという立場には立てないということで応訴する

 ―知事が法廷に立つのか。

 玉城知事 私が口頭弁論で県民の民意をしっかり伝える。政治的な話ではなく、現実的な(基地被害を踏まえて)県民の立場をしっかりと主張したい

 ―仮に代執行訴訟で敗れた場合の対応は。

 玉城知事 今のところは特に考えていないのでコメントは差し控えたい。裁判所は私が口頭弁論でしっかりと主張することを受けとめ、公平公正な判断につなげていただきたいという思いを込めて弁論したい

 ―最終的に承認しないと判断した。政治家と行政の長としての立場があるが、判断を下すのに葛藤はあったか。

 玉城知事 私は行政の長として職員とともに法を守る立場から行政執行しないといけない。しかし他方で政治家として選挙で民意を託された立場の人間だ。民意をどういう風にして可能な限り法と適合させて県民生活と県の発展に努力していくのか。いろいろな角度からの意見を踏まえて考えた

 ―訴訟で力点を置くポイントは。

 加藤裕弁護士 行政代執行の要件は(1)義務が履行されない法令違反(2)他の手段によって履行の確保が困難(3)著しい公益侵害の三つだ。今、玉城知事が言うような承認できない理由を踏まえた上で、どの要件にフィットするか、これから検討する。