<金口木舌>子育てしやすい社会づくり


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<金口木舌>子育てしやすい社会づくり
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 日本テレビの「はじめてのおつかい」は、幼い子どもが買い物などに出掛ける番組だ。生まれて初めて1人で外出し、悪戦苦闘しながら成長する姿を描く

▼埼玉県議会の自民党県議団が虐待禁止条例改正案を提出すると「番組は条例違反になるのでは」との指摘がネット上で話題になった。子どもだけの留守番や登下校は条例案で禁じる親の「放置」に当たるというのだ
▼子育て世代を中心に多数の批判を受け、条例案は撤回された。子どもを守りたいという議員の気持ちは分かるが、多くの禁止行為を設けると親の負担が増すことに思いが至らなかった
▼子育ての責任を親だけに押しつける社会は息苦しい。子どもの居場所を整備し、子育ての支援体制を強化する方がありがたい。地域も協力して子どもを見守れば虐待防止にも一定の効果があるだろう
▼沖縄の「ゆいまーる」の精神にも目を向けたい。お互いに支え合えば心も軽くなる。子育てしやすい社会づくりに何が必要か。地域も行政も議会も一緒に知恵を出し合えば、前向きな答えにたどり着く。