<金口木舌>可能性広げるデータ活用


社会
<金口木舌>可能性広げるデータ活用
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 データが「21世紀の石油」と呼ばれるようになって数年になる。石油と同様、データは暮らしを変え、国の姿にも影響を与える。肝心なのは活用法だ

▼データ分析事業EBILABを創業した小田島春樹さんの話が参考になる。妻の実家で、経営難にあった老舗飲食店を引き継いだ時、「誰が来て、何が売れたか」を数値化した。そこから来店客の好みを読み取り、仕入れや商品開発に生かし、再建につなげた
▼県内でもデータ活用を試みる企業が出てきた。あるスーパーは会員カードを新しくした際に加入者の年齢構成や居住地などを体系的にまとめた。市町村で会員数にばらつきがあるなど発見があった
▼感覚に頼っていたことを数値化することで見えてくるものがある。伊勢神宮で店を切り盛りする小田島さんは、同じ観光地の沖縄に共通点を見る。データ活用は可能性を広げてくれる
▼人手不足や資源高をデータ活用で克服できるか。難しく考えず挑戦してみる価値はある。始めてみることが肝要だ。油田を掘り当てることになるかもしれない。