初代国立劇場の建て替えに伴い、さよなら特別公演「組踊と琉球舞踊 名手による至高の技芸」(日本芸術文化振興会主催)が22日、千代田区の国立劇場小劇場で開かれた。立方、地謡とも人間国宝をはじめとした重鎮、若手がそろい、卓越した技芸で現劇場の締めくくりにふさわしい琉舞と組踊を披露した。
国立劇場の第22回琉球芸能公演で、午前と午後の2部構成。両部ともほぼ満席となり、文化の至芸を堪能した。
午前の部の組踊「女物狂」は1967年の第1回琉球芸能公演以来、56年ぶりの上演。午後の部は組踊「二童敵討」が披露され、華やかな舞とともに物語をつづった。
午前の部で女踊「諸屯」を舞った人間国宝の宮城幸子さんは、歌詞の内容をかみしめて体得した表現ができればとの思いを込め舞台に臨んだ。公演を終え「この舞台に立たせてもらい、支えられてきたことに感謝したい。また新たな舞台の時に次の世代と舞台に立てればと願っている」と話した。
(斎藤学)