<金口木舌>あなたも私も「コーラルマン」に


社会
<金口木舌>あなたも私も「コーラルマン」に
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 結婚や出産の記念に泡盛をかめに入れる人も多いが、沖縄には別の方法もある。資源回復のために養殖するサンゴの苗を記念日に植えるのだ

▼提唱者は読谷村で陸上サンゴ養殖をする「さんご畑」。代表の金城浩二さんはサンゴ保全活動を続けて25年になる。サンゴを植えた夫婦の子が海洋大学に進学したり、水中カメラマンになって「さんご畑」を訪れたりすることもある
▼最近では沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授と一緒に、高水温でも生き残る遺伝子を持つミドリイシを見つけた。専門家との協働で温暖化という大きな課題にも挑む
▼金城さんいわく「サンゴは人間が思う以上に高水温に耐性がある。だが生存率を下げるダブルパンチは水質の悪化」。基礎疾患がある状態で感染症を患うようなものだそう
▼金城さんの活動を支援する「コーラルマン(サンゴ人)プロジェクト」がある。「コーラルマン」は金城さんのことではなく、海の環境を守る一人一人を指す。専門知識はなくとも、きれいな海を守る「コーラルマン」にはなれそうだ。