辺野古「代執行訴訟」、きょう初弁論 玉城デニー知事が法廷で陳述へ 


辺野古「代執行訴訟」、きょう初弁論 玉城デニー知事が法廷で陳述へ  多くの作業船が見える大浦湾。奥は埋め立て工事が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸=2023年9月26日、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 金良 孝矢

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が玉城デニー県知事を訴えた代執行訴訟の第1回口頭弁論が30日午後2時、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)で開かれる。

 玉城知事が意見陳述し、地方自治の在り方を司法に問うとみられる。
 辺野古を巡る県と国の訴訟は14件目。書面では、不承認によって普天間飛行場の固定化回避という公益上の課題が達成されないと主張する国に対し、県は新基地建設反対の民意が公益として考慮されるべきだとして反論。国は即日結審を求めており、年内に判決が出る可能性もある。

 裁判所が国の主張を認めた場合、県に承認命令を出すが、県が従わなければ国が承認を代執行し、大浦湾側の工事が着手される。実際に代執行されれば初めてとなる。

 玉城知事は2021年、沖縄防衛局の設計変更申請に対し、軟弱地盤の調査などが不十分だとして不承認とした。この処分を巡る訴訟で、最高裁は9月に県の訴えを退け、県の敗訴が確定していた。
 21年の地方分権改革で中央集権型の機関委任事務制度が廃止されてから、国が代執行訴訟を提起するのは、翁長雄志前知事時代の15年以来2度目。当時は裁判長から異例の和解提案があり、工事を中止して協議することを条件に和解した。 

(金良孝矢)