<金口木舌>教育費は備えが肝要


<金口木舌>教育費は備えが肝要
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 大学受験に備えたいという子どもから入塾資料を見せられ、目が飛び出そうになった。大学の年間授業料より塾の方が高い。心配させてはならぬと平静を装い、判を押す

▼教育費の高さは親になって初めて気づく。小学校では算数セットに習字セット。中学校の制服は成長期に重なり、何度も買い換えるはめに。「義務教育は無償」という憲法の条文が恨めしい
▼高校以後は進路で大きく異なる。琉球新報のウェブ版連載「比べる! 備える! 家計から出る教育費」によると、国立大学は4年間で200万~300万円、6年制の私大医歯系になると10倍の2千万~3千万円だ
▼学資保険や積立貯蓄、少額投資非課税制度(NISA)など備えの選択肢はいくつかあるが、いずれも準備が肝要。お金のプロは「早めに親子でコミュニケーションを」と説く
▼感染症のパンデミックなどを経て、子どもたちは「予測困難な時代を生きる力を付けよ」と口酸っぱく言われている。せめて親世代は予測可能な教育出費に備えたい。「渇して井を穿(うが)つ」では遅い。