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ガザ最大病院迫り戦闘 イスラエル「ハマス拠点」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=平野雄吾、吉田昌樹】パレスチナ自治区ガザで地上侵攻を続けるイスラエル軍は11日、中心都市ガザ市にある地区最大級の医療機関シファ病院に迫り、付近でイスラム組織ハマスとの戦闘が起きた。軍は病院地下にハマスが司令部を設けていると主張し、攻勢を強化。イスラエル紙ハーレツは軍関係者の話として、病院は想定する「戦闘地域内にある」とし、軍が全ての患者を避難させるよう警告したと報じた。 (6面に関連)
 軍報道官は11日、ガザ北部の住民が南部に避難する「回廊」を同日午前から午後にかけての7時間設置すると発表。うち4時間は北部のジャバリヤ難民キャンプへの攻撃を休止するとし、住民にその間の避難を求めた。
 米政府は9日、民間人退避のため1日4時間の戦闘休止時間が設けられると表明したが、関係は不明。
 軍は11日もガザ北部で攻撃を続け、シファ病院付近のシャーティー難民キャンプ内にあるハマス拠点を砲撃したと主張した。学校付近で地下トンネルを発見し、破壊したとしている。
 ガザ保健当局は11日、シファ病院を巡り「軍の攻撃により敷地内で病棟間の移動ができなくなった」と発表した。周辺では銃撃や無人機の爆撃が続いたとの情報もある。病院には多数の住民が避難しており、民間人被害の拡大が懸念される。
 イスラエル軍は10日午前から午後にかけての6時間、前日までと同様に、「回廊」の幹線道路を通じて北部住民に南部へ避難するよう求めた。
 国連人道問題調整室(OCHA)は10日に約3万人が南部に避難したと発表。回廊で10日に爆発が数回あり、死傷者が出たとの情報があると明かした。なお数十万人が北部に残っているとしている。