有料

七夕さま/島袋初美(本部町・73歳)


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 沖縄の「七夕」にまつわる民話は「親孝行」がテーマだが、一般的に七夕はヤマトからの伝承として親しまれている。私もその一人で、司書という仕事柄もあり、7月のディスプレーはその一般的な七夕をテーマに制作した。「ひこ星と織姫の年に一度の出会い」にあやかり50年願掛けに親しんだ。七夕を楽しむことから離れて数年、今年は思うこともたくさんあり、短冊に願いを書きたくなった。この年になると、自分の願いより、クヮーマーガ(子孫)の行く末に光あれ、と日々願うものだから、短冊は家族の数だけ準備した。短冊に願いを書き、ササの葉ではなく、聖樹としても活躍する玄関の南天の葉に結ぶ。カラフルになり七夕さまらしくたたずむ。今時ササを川に流すのは違反なので、短冊を燃やし、灰をほぼ毎日ウートートーしているヒヌカンガナシーの香炉に足した。「サリサリ、ミーマンティウタビミソーリ」とさらに願いをした。