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ヤマト、集配拠点維持へ協業/過疎化対応、営業所で日用品販売


ヤマト、集配拠点維持へ協業/過疎化対応、営業所で日用品販売 サツドラホールディングスと連携して日用品を販売するヤマト運輸の奥尻営業所=8月、北海道奥尻町
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ヤマト運輸は、過疎地域にある集配拠点の維持に向けて他社との協業を進める。北海道地盤のドラッグストアとの取り組みを先例として、一部の営業所で日用品の販売を始めた。地域住民にも利益をもたらす「三方良し」の将来像を描く。
 ヤマトは全国3219カ所の営業所(6月末時点)を拠点に荷物の集配業務を展開する。郵便局と同様、離島などを含めた日本全域をカバーしているが、採算が合わない過疎地域での赤字の圧縮は経営課題になっている。
 ヤマトは2021年11月から北海道の奥尻島(奥尻町)の営業所で、サツドラホールディングス(札幌市)と組んで日用品を売り始めた。ヤマトの社員が販売を代行する。22年8月からはヤマトの集配車両を使った移動販売も始め、今年8月には大型化した専用トラックも導入した。
 サツドラの出店は奥尻島を含め道内4カ所に広がり、スーパーの閉店に伴う不便さを補うなどの効果から住民側も進出を歓迎しているという。
 今年7月には両社で正式に連携協定を締結。簡易店舗を「3年でさらに5カ所増やす」(担当者)構想を掲げる。
 ヤマトは、サツドラとの取り組みを過疎地域の拠点維持に向けた先進的な事例と位置づけ、他地域でも同じような協業を模索する。ヤマトの長尾裕社長は「それぞれの地域の状況を踏まえながら、(ヤマト側が)何を提供するのが一番良いのかを考え始めている」と話す。