神田副財務相を更迭　税金滞納　１カ月で３人目　岸田政権に深刻打撃

　岸田文雄首相は１３日、過去の税金滞納を認めた神田憲次財務副大臣（６０）＝衆院愛知５区＝を事実上更迭した。代表取締役を務める会社保有の土地・建物の固定資産税を過去に滞納した経緯が発覚し、国民に納税を求める立場にあることから国会審議への影響は避けられないと判断。神田氏が辞表を提出し、持ち回り閣議で受理した。９月の内閣改造後、政務三役の辞任は３人目となった。野党は首相の任命責任を追及する。政権へのダメージは必至だ。　（３面に関連）

　政府は、神田氏の後任に自民党の赤沢亮正政調会長代理（６２）を充てる人事を決定した。赤沢氏は衆院鳥取２区選出で当選６回。無派閥。
　首相は神田氏辞任に関し、官邸で記者団に「任命責任は重く受け止めている。政府一丸となって職務に当たり、国民の信頼を回復していく」と強調。着任約２カ月で辞任に至り「国民におわびしなければならない」と述べた。
　神田氏は１３日、記者団の取材に「大変ご迷惑をおかけしたことをおわびする」と陳謝。「私の問題で大事な国会に迷惑をかけるのは避けたい。それは私の本意ではない」とし、政治家として説明責任を果たすと語った。
　立憲民主党の泉健太代表は相次ぐ政務三役の辞任に関し「異常事態だ。全く適材適所ではなかった。『身体検査』もせずに就任させた首相の罪は大きい」と批判した。
　神田氏は９日の参院財政金融委員会で、税理士資格を持ちながら２０１３年から２２年にかけて固定資産税を滞納し、４回にわたって差し押さえを受けていたと認めた。
　９月発足の第２次岸田再改造内閣では、１０月２６日に山田太郎文部科学政務官が女性問題で辞任。同３１日には東京都江東区長側の公選法違反事件に絡んで柿沢未途法務副大臣が辞めた。今月の共同通信世論調査では内閣支持率が政権発足後初めて３０％を割り込んだ。