人工衛星や送電網に悪影響を及ぼすことのある「磁気嵐(宇宙嵐)」の発達に、地球起源のプラズマが影響していることを名古屋大などのチームが突き止め、10月30日付英科学誌に発表した。これまでは、太陽のプラズマが主要因と考えられてきた。磁気嵐のより正確な予測につながる成果としている。
チームは太陽から出るプラズマ流(太陽風)と地球周辺のプラズマに含まれる水素イオンなどに注目。2017年9月7~10日に発生した磁気嵐で、日本のジオスペース探査衛星「あらせ」や海外の科学衛星計4機により観測したデータを解析した。その結果、磁気嵐を起こすプラズマは、太陽起源ではなく地球起源の水素イオンが主成分であることが判明。また磁気嵐が発達すると、地球起源の酸素イオンの量が水素イオンを上回っていくことも分かった。
名古屋大の三好由純教授(宇宙空間物理学)は「磁気嵐の予測には太陽風だけでなく、地球の大気の影響も組み込むことが必要だ」としている。
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地球プラズマ 磁気嵐に影響 名古屋大など発表
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琉球新報朝刊
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