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日中、関係立て直し焦点 あす軸に首脳会談調整


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は15日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するため、米サンフランシスコに向けて出発する。日中両政府は現地時間16日を軸に、首相と習近平国家主席による約1年ぶりとなる会談を最終調整。中国は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に反発しており、冷え込んだ日中関係の立て直しを図れるかが焦点となる。
 首相は14日、公明党の山口那津男代表に対し、習氏との会談について「対話の機会をつくっていきたい」と述べ、意欲を示した。実現すれば、中国の日本産水産物の輸入規制を撤廃するよう迫る構え。中国での邦人拘束や、東・南シナ海情勢も話し合われそうだ。
 首相はバイデン米大統領、韓国の尹錫悦大統領ら各国首脳との個別会談も調整している。
 APEC首脳会議では、日本が加盟する環太平洋連携協定(TPP)や地域的な包括的経済連携(RCEP)を推進する考えを強調。デジタル技術や気候変動対策の重要性を訴える。
 松野博一官房長官は「自由で開かれた貿易、投資の推進に加え、サプライチェーン(供給網)の強靱化(きょうじんか)などの重要課題について積極的に議論をけん引する」と強調した。
 現地時間16日に日米など14カ国による新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」首脳会合に出席。インド太平洋地域の持続可能な経済成長を重視する日本の立場を改めて表明する。