首相、副大臣辞任を陳謝　与党会談　「極めて異常」政権危機感

　岸田文雄首相は１４日、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、税金滞納の過去を認めた自民党の神田憲次前財務副大臣の更迭に関し「ご迷惑をおかけした」と陳謝し、態勢の立て直しに取り組む考えを伝えた。政権内では政務三役の相次ぐ辞任に「極めて異常だ」と危機感が広がっている。一方、神田氏は議員辞職について「考えていない」と国会内で記者団に語った。
　首相は各閣僚に対し「国会での予算審議が始まるので、一丸となって頑張りましょう」と呼びかけた。土屋品子復興相が閣議後の記者会見で明らかにした。山口氏は首相との会談で「誠に遺憾だ。しっかり引き締めてもらいたい」と注文を付けた。
　鈴木俊一財務相は参院財政金融委員会で、信頼回復に向け「足元の課題に全力で取り組む」と述べた。
　自民の森山裕総務会長は記者会見で、相次ぐ辞任に「極めて異常だ。国民に対して大変申し訳ない」と言及した。
　自公の茂木敏充、石井啓一両幹事長は国会内で会談し、緊張感を持って政権運営に当たることを確認。税金滞納を繰り返した神田氏の対応を巡り「あまりにずさん過ぎる」と厳しい指摘も出た。
　自民の梶山弘志幹事長代行は会見で、更迭が遅かったのではないかと問われ「本人の意向も重視しながらやりとりしたと思うが、こういうものは早めに決着するべきだ」と苦言を呈した。
　スキャンダルの有無を確認する「身体検査」が不十分との指摘に、松野博一官房長官は会見で「結果として辞任が続いたことは遺憾であり、重く受け止めている」と語った。