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奥行きある音色で魅了 なはーと 林裕がチェロリサイタル


奥行きある音色で魅了 なはーと 林裕がチェロリサイタル ポッパーの作品を多彩に聴かせるチェロ奏者の林裕(左)。ピアノは大藪祐歌=10月27日、那覇文化芸術劇場なはーと大スタジオ
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 県立芸術大学教授でチェロ奏者の林裕が10月27日、チェロリサイタル沖縄公演「Respect for Popper」を那覇文化芸術劇場なはーと大スタジオで開いた。作曲家でチェロ奏者のダーヴィト・ポッパー(1843~1913)に焦点を当て、ポッパーの遺作といわれる「ニュールンベルクのマイスタージンガーによる即興曲」などを披露した。林はチェロの奥行きのある美しい音色を響かせ、観客を魅了した。ピアノは大藪祐歌が務めた。
 演奏される機会に恵まれないポッパーの楽曲を中心に、同時代を生きた音楽家の楽曲を取り上げた。観客は奏者と同じフロアから鑑賞でき、迫力に満ちた演奏を間近の距離で味わった。
 リサイタルは林の1993年の日本音楽コンクール第1位受賞から30周年を記念して開かれた。沖縄公演を皮切りに、兵庫県と愛知県でも開催された。これまでにポッパーの56作品を公開演奏し、今後、100曲を超えると言われる作品の全てを公開演奏することを目指している。 (田中芳)