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児童虐待防止の啓発、なぜ? 「サイン」見逃さないため <福祉の窓>1023


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 先日、市役所に行った際にオレンジリボンのステッカーや児童虐待防止に関するチラシを受け取りました。外にのぼりも立てられるなど、最近児童虐待防止の広報や啓発に力を入れていると感じますがなぜでしょうか。

 こども家庭庁では、児童虐待問題に対する社会的関心を喚起するため、児童虐待防止法が施行された11月に「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」を実施しています。この期間中、官民が一体となり、全国各地で児童虐待防止を推進するさまざまな取り組みが行われます。

 具体的には、ポスター掲示やチラシ配布などをはじめ、講演会や研修会、シンポジウム開催などを通して児童虐待防止の推進が図られます。本キャンペーン中、オレンジリボンを目にする機会が多いと思いますが、オレンジリボンには「児童虐待防止」というメッセージが込められています。また、ポスターなどに記載されている標語は毎年、国(本年度よりこども家庭庁)が本キャンペーンの一環として募集しており、本年度は「あなたしか 気づいてないかもそのサイン」が採用されています。

 こども家庭庁が今年9月に公表した速報値によると、2022年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は21万9170件で、前年度より1万1510件(5.5パーセント)増え、過去最多を更新しています。

 近年、児童虐待の発生件数が大幅に増加し、ニュースでは痛ましい事件が度々報道されるなど、大きな社会問題の一つとなっています。今回のキャンペーンを通して県民に広く児童虐待問題に対する理解が深まることを願いたいと思います。

(沖縄県社会福祉士会 新垣千恵子)


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