9月に県立博物館・美術館で開かれた第30回肢体不自由児・者の作品展。個性豊かな作品が並ぶ中で1枚の絵画が目を引いた。「職業 数学者の未来」というタイトルで絵を描いたのは、県立那覇みらい支援学校高等部2年の座安希空(のあ)さん(17)=豊見城市。第41回全国肢体不自由児・者の美術展で佳作賞に輝いた。
同校は那覇市古波蔵にあり、知的障がいや肢体不自由の生徒が在籍している。
絵は特別支援学校独自の教育課程である「自立活動」の時間に描いた作品で、自分の将来を表現するという課題だった。数学が得意科目といい、数学に関連した職業に就きたいという思いを絵に込めた。黄色の背景の中心には自画像、周りにはパソコン用語を書いた。「絵は苦手だったけど、最終的には楽しかった」と話す。佳作賞を受賞したことについて「衝撃的だった。両親も騒いでいた」と顔をほころばせた。
肢体不自由のため座ることが苦手でベットで横になりながら授業を受けている。ホームルームの時間や通学中の車では座る訓練をしている。4月は100秒だったが、現在では1100秒まで座ることができるようになった。
担任で数学教諭の金城裕紀さんは「とても真面目で課題もきちんとこなす。内に熱いものを秘めている生徒です」と期待を寄せる。
1年生の時には県教育委員会から模範生徒にも選ばれた。県内の大学進学に向けて受験勉強を始めている。英単語1000語の暗記にも取り組んでいる。「大学でたくさん勉強したい」と未来の数学者は目を輝かせた。
(渡真利優人)
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那覇みらい支援学校高等部2年/座安希空さん/数学者目指し受験勉強
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琉球新報朝刊
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