【サンフランシスコ共同=尾崎雅子】日本や米国、中国など21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が17日(日本時間18日)、首脳宣言を採択して閉幕した。昨年と違いロシアによるウクライナ侵攻に言及せず、対ロ批判の姿勢が大きく後退した。パレスチナ自治区ガザ情勢にも触れなかった。米中を含め立場の違いが鮮明となり、各国の関心が高い脱炭素化推進といった気候変動問題への対処などで一定の連帯を維持した格好だ。 (1面に関連)
首脳宣言の文言に、ロシアやガザに侵攻するイスラエルは登場しなかった。米政府が制裁を理由に招待しなかったロシアのプーチン大統領に代わり、オベルチュク副首相が首脳会議に出席した。
米国は全会一致での合意が要らない議長声明を出し、ウクライナ侵攻を「最も強い言葉で非難する」と盛り込んだ。ガザ危機では意見交換し、首脳らは「それぞれの立場を共有した」という。一方、一部の首脳が「APECは地政学問題を議論する場ではない」と反対したと明らかにした。
バイデン米大統領は閉幕セッションで「この数日間、私たちはアジア太平洋の包摂的で持続可能な経済を築き上げるために尽力した」と成果を強調した。
一方、中国国営通信新華社によると、習近平国家主席は17日に「経済・貿易問題の政治化や武器化に反対する」と演説。「開放的で平和的な共同体を構築するべきだ」と強調し、対中輸出規制の強化を進める米政権をけん制した。
首脳宣言は「全ての人にとって回復力があり、持続可能な未来を創造する」と表明。「私たちはこれまでと異なる経済的課題に直面している」として、再生可能エネルギーの拡大や脱炭素化に向けた取り組みを強化するとした。
機能不全が続く世界貿易機関(WTO)の改革やデジタル経済の推進も盛り込んだ。
首脳会議は米サンフランシスコで3日間開催。2024年のAPECはペルーが議長国を務める。
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ウクライナ、ガザ触れず APEC首脳宣言採択
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琉球新報朝刊
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