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少子化「支援金」負担減 自営や高齢者、所得に応じ


少子化「支援金」負担減 自営や高齢者、所得に応じ 支援金軽減のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は、少子化対策の財源に充てるため、社会保険料に上乗せして徴収する「支援金」制度に関し、低所得者の負担軽減措置を設ける方針を固めた。公的医療保険の仕組みを準用し、自営業者や無職の人、75歳以上の後期高齢者らのうち約2600万人を対象とする案が検討されている。具体的な軽減幅などは今後詰める。政府関係者が19日、明らかにした。
 児童手当の拡充など、少子化対策には年3兆円台半ばの財源が必要となる。政府は医療、介護など社会保障費の歳出を削った上で、新設する支援金制度で約1兆円を賄うことを検討している。
 こども家庭庁が今月、有識者会議に示した制度案の概要によると、支援金は現役世代や高齢者、企業まで幅広く対象となる公的医療保険の保険料と併せて徴収する。会社員らが入る健康保険組合、自営業や無職の人らの国民健康保険(国保)、後期高齢者医療など、いずれも所得などに応じて保険料が決まっており、支援金も「負担能力に応じた仕組みとする」とした。平均すると1人当たり月500円程度の負担が見込まれる。
 政府は低所得者の負担軽減について、現行の国保と後期高齢者医療の仕組みを使う方向で調整。国保の場合、加入者が等しく支払う定額部分の保険料を公費投入で2~7割安くする。対象者は計約1400万人。40歳の夫婦と子ども1人の世帯で夫の給与収入のみの場合、年間の給与収入が98万円以下の世帯は7割減額される。197万円以下は5割減額となる。後期高齢者医療でも世帯の年金収入などに応じて2~7割減額し計約1200万人が対象となる。政府は有識者会議や与党の意見を踏まえ、年末までに制度設計を固めた上で2024年の通常国会に関連法案の提出を目指す。