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「病院下、55メートルトンネル」 イスラエル公開 ハマスは否定


「病院下、55メートルトンネル」 イスラエル公開 ハマスは否定 ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=平野雄吾、吉田昌樹】パレスチナ自治区ガザに地上侵攻するイスラエル軍は19日、北部ガザ市にある地区最大のシファ病院地下に深さ10メートル、長さ55メートルのトンネルが見つかったとする映像を公開した。イスラム組織ハマスが10月7日に拉致した人質2人を同病院に連行した際のものとする映像も公表。ハマスが「テロ」拠点に使った証拠だとして病院攻撃を正当化している。ハマスは軍の説明を「虚偽だ」とする声明を出した。
 イスラエルとハマスは米国の仲介で、戦闘休止と引き換えにハマス拘束の人質を解放する交渉を進める。5日間の戦闘休止期間中に、子どもや女性数十人を順次解放する案とされ、詰めの協議が続いているとみられる。
 イスラエル軍はシファ病院地下にハマス中枢の司令部があるとみて、15日未明に突入し、掌握した。公開した映像によると、敷地内にある縦穴にらせん階段が設けられ、底から横へつながるトンネルを進むと爆発に耐えるドアがあったとしている。ドアの先にもトンネルが続く可能性がある。
 病院に連行されたとされる人質2人はタイ人とネパール人。映像によると、うち1人は負傷のため院内を移動式ベッドで運ばれ、銃を持つ人の姿もあった。2人の行方は分かっていない。
 国連児童基金(ユニセフ)は、危険な状態の新生児31人のシファ病院からガザ南部の病院への移送が完了したと発表した。