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芸道50年 圧巻の演舞 古謝弘子研究所、最後の発表会


芸道50年 圧巻の演舞 古謝弘子研究所、最後の発表会 「ナークニー汀間当」を踊る古謝弘子家元
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 琉球舞踊朱日流の古謝弘子舞踊研究所50周年記念公演が12日、嘉手納町のかでな文化センターであった。同研究所として最後の発表会は古謝弘子家元と弟子、孫弟子ら約40人がそろって出演。古典に雑踊、棒術や空手を取り入れた演舞まで多彩な演目を一体感のある踊りで表現した。圧巻の舞台が観客を魅了した。
 家元が振り付けした「寿・祝賀の舞」で幕開け。仲程愛子会主や師範、教師、最高賞受賞者の12人が朱色の扇子を手に、華やかな舞を披露した。
 「上り口説囃子」は、家元が師事した宮城美能留が一節ごとに踊り手が唱えるはやしを復活させた。はつらつとした唱えで伝統を継承した。「高平良万歳」は、師範と教師、最高賞受賞者の11人で披露した。11人で敵に迫る様はすごみと気迫があり、圧倒された。道具を持ち替える所作までそろっており、終始一体感があった。
 「太鼓囃子」は「津堅コール小」「いちゅび小節」「唐船ドーイ」とにぎやかに展開。手にした締太鼓を軽やかに持ち上げたり、互いの太鼓をたたきながら体制を変えたりと巧みな構成に完成度の高さを感じた。
 「舞方(めーかた)」は、東風平の郷土芸能の棒術。朱日流でも踊り継いでいる演目。10人でりりしく披露した。
 家元が舞った「ナークニー汀間当」は、新人賞を取った際、宮城美能留がおはこ芸になるようにと創作した曲。前半は「宮古根」で、恋の切なさを抑制的に表現しつつ、後半では一転「汀間当」に乗せて軽快に舞った。静と動の踊りの魅力を1曲で存分に披露した。
 公演内容について、家元は「まだまだなところもあるが、もっとよくなると思う。次の子たちに伝承できる節目になった。しっかりと受け継いでいくだろう」と研究生たちに期待を寄せた。  (田吹遥子)