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車いす乗車拒否、3割超 UDタクシー、地方で高く


車いす乗車拒否、3割超 UDタクシー、地方で高く UDタクシーの車いす利用者乗車拒否率
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 障害者団体「DPI日本会議」は13日、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーの車いす利用者への対応を各地で調査した結果、乗車拒否が3割超あったとして、国土交通省に改善を要望した。東京五輪・パラリンピック前の2019年調査よりも悪化。特に東京都以外での拒否率が高く、地域間格差が浮き彫りになった。
 調査は10月20日に実施。沖縄を含む17都道府県で車いす利用者延べ109人が参加した。流しや乗り場での乗車を試みたほか、電話やアプリで配車予約できるかどうかを調べた。その結果、34・9%に当たる延べ38人が乗車を拒否されたと回答。19年調査では26・7%だった。
 東京とそれ以外の地域で差が大きく、東京での乗車拒否が17・2%(19年調査は21・4%)だったのに対し、他の地域では41・3%(同29・5%)と、主に地方で車いす利用者への配慮が行き届いていない現状が明らかになった。
 DPIの佐藤聡事務局長は「タクシー事業者は車いす利用者を拒否しないという姿勢を徹底してほしい」と話し、研修の強化などを国交省に要望した。
 国交省は東京五輪・パラリンピック前に、UDタクシーの購入費として1台当たり最大60万円の補助を開始。担当者は「悪質な事業者に対しては行政処分も含め対処していきたい」と話した。
 UDタクシー 高齢者や子ども、障害者も利用しやすく設計したタクシーで、UDはUniversal Designの頭文字。予約が必要な福祉タクシーと異なり、流しなど気軽な利用を想定する。国土交通省によると、2022年3月時点で全国のタクシーの16.9%に当たる3万台近くが導入された。国は25年度末までに各都道府県で総車両数の25%にする目標を掲げている。