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地域外交「一つの中国念頭に」 知事


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 玉城デニー知事は、23日の県民平和大集会に参加した後、報道各社の取材に対して、台湾訪問について「沖縄県は、これまでも(日本)政府と同じく一つの中国政策を念頭に置いて地域外交をしようとしている」とした上で「今回、行政や政府の関係者と会うためのセッティングをしていないのは、われわれが発していることと食い違わないことを分かってもらえるようにという方向性で整えた」と説明した。
 また「平和な社会をつくるために世界と協力して取り組めることの最たるものが経済や交流、文化体験だ。そういうことをこれからも続けていこうとメッセージを送り続けたい」と話した。
 知事は訪台を発表した10日の会見で、訪問の目的として経済や文化的な交流の活性化を挙げ「(1月に予定されている)台湾の総統選挙と関連する意図や目的は全くない」と答えていた。
 知事訪台を巡っては、在日中国大使館の報道官が11日、「あらゆる形式の日本と台湾の公的な往来に断固反対する」との問答形式の談話を発表した。玉城知事は20日に「(談話には)私の名前など固有名詞が出ていたわけではない。他の都道府県も今年台湾を訪問している」と述べた。
 県の関係者は「沖縄として、中国とも台湾とも良好な関係を築きたいというのは当然の思い。片方に行ったからといってもう一方に反対するというものではない」と話した。 
  (沖田有吾)