【釜山共同=出川智史】上川陽子外相は25日、韓国南部釜山で中国の王毅外相と初めて会談した。上川氏は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、日本産水産物の輸入制限措置の即時撤廃を要求。立場の隔たりを認識し、建設的な態度で協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだすことを改めて確認した。両外相は相互に来日と訪中を招請した。上川氏は26日、日韓外相会談を行った後、日中韓3カ国の外相会談に臨む。
会談は当初予定より40分長い約1時間40分だった。上川氏は、中国が独自に原発処理水をモニタリングできる機会を求めていることに関し「国家の主権、国際原子力機関(IAEA)の権威や独立性という原則が前提となる」と述べ、否定的な見解を伝えた。
上川氏は「先の日中首脳会談で、戦略的互恵関係を包括的に推進する方向性が確認された。これに沿って日中関係を発展させるべく緊密に連携したい」と述べ、王氏も同様の考えを示した。
王氏は「中日関係が健全かつ正しい軌道に沿って、前に向かって発展することを推し進める用意がある」と表明した。
岸田文雄首相は米サンフランシスコで16日、中国の習近平国家主席と会談。処理水に関し、対話を通じて解決方法を見いだし、専門家レベルで科学に立脚した議論を行うと確認した。上川氏は会談後「今後調整していく」と記者団に述べ、議論の形態を具体化する考えを明らかにした。
上川氏は尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)に中国が設置したブイの即時撤去や、中国で拘束されている邦人の早期解放を求めた。
両外相は、外交・防衛当局高官が安全保障分野の課題を協議する「安保対話」の早期開催で一致。閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」と「日中ハイレベル人的・文化交流対話」の開催へ調整を進めることも申し合わせた。
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処理水問題で対話を確認 日中外相会談 相互訪問を招請
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琉球新報朝刊
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