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首脳会談、年内見送り/日中韓、6分野で協力


首脳会談、年内見送り/日中韓、6分野で協力 26日、会談前に写真撮影に応じる(左から)上川外相、韓国の朴振外相、中国の王毅外相=韓国・釜山
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 【釜山共同=出川智史】上川陽子外相は26日、韓国南部釜山で中国の王毅外相、韓国の朴振外相と会談した。年内開催を調整してきた日中韓首脳会談について、早期の適切な時期に開く考えで一致した。複数の外交筋によると、議長国の韓国は12月開催に言及せず、年内実施を事実上見送った。日中韓外相による会談は約4年ぶり。経済・貿易や平和・安全保障など6分野について協力する方針を確認した。

 外相会談では核・ミサイル開発を進める北朝鮮情勢を巡り議論し、核問題の解決に向けて各レベルで意思疎通を続けていくことで合意した。
 上川氏は、良好な中朝関係を念頭に「核・ミサイル問題で中国が積極的な役割を果たすことを期待する」と述べた。拉致問題の解決へ中韓両国に協力を重ねて求めた。
 朴氏は「朝鮮半島の平和と安定は3カ国の共同利益で、北東アジアの平和と繁栄のための必須条件だ」と強調。北朝鮮による軍事偵察衛星発射を非難した。
 協力を確認した6分野には、人的交流、科学技術、持続可能な開発、公衆衛生を含む。王氏は3カ国協力について「健全で安定した発展を維持し、世界の平和と繁栄のため貢献しなければならない」と表明した。
 中東情勢に関し、3氏はパレスチナ自治区ガザの人道状況改善が重要であり、外交努力を重ねる必要があるとの認識を共有した。ロシアによるウクライナ侵攻についても協議した。
 日中韓首脳会談は、2019年12月を最後に途絶えている。
 今年9月、3カ国高官協議で早期に開催する方針で一致した。