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50年の歩み、舞い祝う/島袋流道場/記念公演「歩歩ともに」


50年の歩み、舞い祝う/島袋流道場/記念公演「歩歩ともに」 道場開設50年記念公演で「かぎやで風節」を踊る(左から)島袋君子家元と島袋光尋家元=10月1日、浦添市の国立劇場おきなわ(提供)
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 琉球舞踊島袋流道場開設50年記念公演「歩歩(ほほ)ともに」が10月1日、浦添市の国立劇場おきなわであった。島袋光尋、君子両家元と弟子ら50人が出演。創作舞踊を中心としたにぎやかな踊りで、50年の節目を祝った。
 幕開けの「長者の大主」は「かぎやで風」で光尋、君子両家元が登場し、祝いの喜びを舞で表現した。
 中盤で披露した「金細工」は、鍛冶職人の加那兄(かなふい)と遊女の真牛(もーさー)、真牛の抱え親の3人の掛け合いが見どころの舞踊劇。今回は光尋家元が抱え親(アンマー)役で、加那兄役の比嘉大志と真牛役の嘉数幸雅と共に登場した。軽やかな踊りを絶やさず、細かな所作と表情の変化でアンマーのコミカルさを巧みに表現した。
 君子家元が振り付けした創作舞踊も多く披露された。「海の民」では、冒頭の威勢のいいかけ声が踊りを盛り立てた。「ゆい千鳥」はふわりとした手や腰の動きが印象的だった。普久原恒勇作曲の「ヘイ!二才達(ニーセーター)」は手拍子で元気よく踊った。最後は「七月あしび」で息の合った演舞を見せた。
 道場開設から50年。君子家元は「弟子たちがついて来てくれたことが幸せ」と語る。光尋家元の「楽しみながら、和をもってやる」との言葉通り、踊ることの楽しさ、琉球舞踊の新たな魅力や可能性を存分に感じさせる公演だった。
 (田吹遥子)