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誰かの小さな幸せを アメリ デジタルリマスター版 シネマプラザハウス・公開中


誰かの小さな幸せを アメリ デジタルリマスター版 シネマプラザハウス・公開中
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 目の大きな少し変わった女の子アメリ。いつかアメリのようにクリームブリュレをスプーンでココンと割って食べたい。
空想、妄想なら彼女にも負けていないけれど、独創性で完敗。22年前の公開時に見た感想はそんなところだったろうか。
 再見してみれば、色彩と独創性にやられてほとんど勝手に脚色していたようで、スマーフが旅をする以外の箇所は、まるで初めて見るかのように新鮮だった。
 偏屈な両親のもとで、世間との交流を絶たれ育ったアメリは不器用で少々コミュ障。それでもあることをきっかけに「誰かの小さな幸せ」が彼女の幸せになっていく。
 それからは毎日小さな幸せの創造に乗り出すが、いきおい余って「余計お世話」もちらほらでアメリらしい。誰かよりも、アメリこそ幸せになってほしいと見る方は大いにやきもきするのだが、小さな行動の積み重ねは彼女を確実に成長させていく。こじらせてしまった若い頃の自分を重ねて、20余年の歳月をしみじみと懐かしむ。監督はジャン=ピエール・ジュネ。
 (スターシアターズ・榮慶子)