北部へ行くとつい「空気がきれいだわ」とか「星がいっぱい!」などと言ってしまう。旧大里村育ち、星空も澄んだ空気も、よく知ってるくせにシティーガール気取りで洒落(しゃら)臭い。いろいろ充実した那覇で、文明の恩恵に甘え生きながらえる身で「こんなところで暮らしたい」なんてことは、絶対に言わぬよう己を戒めている。
この映画は、農村でのスローライフに憧れ、大都会パリからスペインの農村へ引っ越してきた夫婦の実話。村の開発を願う村人たちに、美しい自然を守るため、開発はやめましょうよと新参者が言うもんだから村人激怒。さぁどうする。
沖縄にコンビニがなかった頃、CMだけで見るローソンは憧れだった。今だと、演芸場とか後楽園ホールとか、花屋敷(はなやしき)とか、やっぱ都会の景色に憧れる。
それで、映画の村問題の解決策がわかった。パリの生活を、スローライフにすればいい。そしたら、農村の人も、開発の必要性を感じないはず。監督はロドリゴ・ソロゴイェン。 (桜坂劇場・下地久美子)
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都会人と農村の対立 理想郷 桜坂劇場・あすから
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琉球新報朝刊
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