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残る7人の捜索続く 屋久島沖オスプレイ墜落 陸自は全14機の飛行見合わせ


残る7人の捜索続く 屋久島沖オスプレイ墜落 陸自は全14機の飛行見合わせ 漂流物とみられるものを回収する海上保安庁の職員ら=30日午前10時30分、鹿児島県・屋久島沖(共同通信社ヘリから)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍横田基地所属のCV22オスプレイ1機が墜落した件で政府は30日、事故について29日時点で「不時着水」と説明していたが「墜落」との表現に修正した。米軍が変更したことを受けた対応。一方、海上保安庁は搭乗者数を6人と説明していたが、防衛省からの情報を受けて8人に修正した。

 木原稔防衛相は30日の参院外交防衛委員会で、表現を変更した理由について、米側から「墜落、クラッシュ(crash)という表現だったと説明があった」と述べた。佐藤正久氏(自民)への答弁。防衛省によると29日の時点で米軍は「unplanned landing(計画外の着陸)」と表現していた。

 防衛省によると、事故機は複数編隊で山口県の岩国基地から嘉手納基地へ向かっていた。米空軍は「通常の訓練任務中だった」と説明。事故原因につながる詳細な情報は明らかになっていない。

 海保によると、29日に死亡が確認された1人の遺体は30日、鹿児島県の種子島空港で米軍関係者に引き渡された。米軍や海上保安庁、自衛隊、屋久島の漁師らは残る搭乗員7人の捜索を続けている。機体の一部とみられる破片なども回収した。

 陸上自衛隊は30日、陸自のV22オスプレイの飛行を見合わせ、全14機を点検して隊員への必要な教育を行うことを決めた。陸自は一部を解体するなど、通常よりも詳細な機体点検を実施している。

 松野博一官房長官は30日午前の会見で「地域の皆さまに不安を与えるもので、誠に遺憾だ。地元の懸念の声を真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。陸自オスプレイの佐賀県配備に与える影響を問われたが2025年6月末までの駐屯地開設を目指す方針を改めて示した。
 (明真南斗、安里洋輔、沖田有吾)