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ワンネス財団 片桐 淳 理想、高すぎませんか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 今年も残り約1カ月。そろそろ来年の抱負を考えても良いかもしれません。作っても途中でうやむやになり、毎年達成できずに終わってしまう方もいると思います。理想が高すぎて完璧主義を追い求めてしまってはいませんか。
 ・全ての可能性を考えて、一番いいものを選ぼうとする。
 ・「もっと面白いものがないか」と、頻繁にテレビのチャンネルを変える。
 ・大切な人へのプレゼントを選ぶのに苦労する。
 ・レストランでメニューの中から選ぶのに苦労する。
 ・選んだものを後悔することが多い。
 完璧主義ではいつまでも達成感が感じられず、日々の満足感も得られません。完璧主義で困っている方は「この程度で十分満足」と感じられるように、日々訓練するのもいいかもしれませんね。例えば、このような感じです。
 ・重要な決定と重要ではない決定をしっかり分ける。
 ・選んだものを「この程度で十分満足」と思うようにする。
 ・「最高の」や「最新の」製品ばかりを追い求めない。
 ・一度決定したら、選ばなかった選択肢を思い出さない。
 今年の反省が終わったら、新年の抱負を作ってみましょう。ポイントの一つは「適切な相手に抱負を語る」ということです。
 心理学では、目標や夢を人に話すべきかどうか意見が分かれています。「人に言うべき」との考えで代表的なものは「人に言うことで達成する責任が生まれる」というもの。一方「人に言うべきではない」という意見の代表例は「言ったことで満足してしまう」と、「言った相手が『それは現実的でない』などと夢や目標に水を差してしまう」ということが挙げられます。
 このことから「水を差さずに応援してくれる相手に宣言して、言ったことで満足せずに具体的に達成したことが分かる目標を立てる」ことができれば、目標は達成しやすいと言えると思います。
 「新年の抱負を作るのはまだまだ早い」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかくなので本気で達成したい目標を立てて、今のうちから気持ちを盛り上げてみてはいかがでしょうか。