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神谷 ひとみさん 沖縄はり・灸・あん摩 マッサージセンター 「楽になった」に励まされ


神谷 ひとみさん 沖縄はり・灸・あん摩 マッサージセンター 「楽になった」に励まされ 今後の目標を語る神谷ひとみさん=那覇市松尾の沖縄はり・灸・あん摩マッサージセンター
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 「『とても楽になった』『頑張ってね』の言葉にジーンと来ます」。そう仕事のやりがいを語るのは、あん摩マッサージ指圧師の神谷ひとみさん(58)=沖縄市。那覇市松尾にある「沖縄はり・灸・あん摩マッサージセンター」で凝り固まった多くの人の体を日々ほぐしている。
 神谷さんは生まれつき全盲で県立沖縄盲学校に通っていた。同校の保健理療科であん摩マッサージ指圧師の資格を取得した。指圧師を目指すきっかけとなったのは、10歳下の弟の出来事だった。太ももの筋肉が張り、痛くて眠れない様子だった。金城さんが心配する中、母が弟の太ももをマッサージすると痛みが和らいでいった。マッサージの効果を知った金城さんは、指圧師の資格を取得して誰かの役に立ちたいと考えるようになったという。「涙を流しながら勉強しました。試験までは気が張っていましたね」。試験はトップの成績で合格した。
 盲学校を卒業後、大阪市にある社会福祉施設に通所し、歩行や料理などの生活訓練をした。帰沖後、1992年から同センターに勤務している。近年はパソコンを使ったデスクワークが増え、多くの人は肩甲骨や首の付け根、頭の後ろの凝りが多いという。お客さんの症状に合わせてツボをピンポイントで押していく。「もみ返し(マッサージ後の痛み)がないように気を付けます」
 趣味は音楽鑑賞という神谷さん。「イーグルス」や「シカゴ」など70~80年代の洋楽をこよなく愛する。「指名のお客さんが増えるように頑張りたい。65歳の定年まで」。今日も心地よい指圧で疲れを癒やす。 (渡真利優人)