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安倍派還流 10人以上か 議員複数、1000万円超受領


安倍派還流 10人以上か 議員複数、1000万円超受領 安倍派の政治資金パーティー疑惑の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー券問題で、安倍派(清和政策研究会)からキックバックを受けた所属議員が少なくとも10人以上とみられることが4日、関係者への取材で分かった。うち複数が1千万円超を受領した可能性があることも判明した。東京地検特捜部は政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いで捜査。既に派閥側の事務方への事情聴取を進めており、13日の国会閉会後、議員側に対して集中的に経緯の説明を求めるもようだ。 (3面に関連)
 関係者によると、特捜部は各地から応援を取り、態勢を拡充している。
 安倍派では販売ノルマを超えて議員が集めた分を政治資金収支報告書に記載していなかった。また、ノルマ以上の分を議員側にキックバックした際、派閥は支出として、議員側は収入としてそれぞれ収支報告書に記さず、裏金化する運用が続いていた。2022年までの5年間で1億円超とされる。
 自民党の各派閥のパーティー券は1枚2万円が相場で、当選回数や閣僚経験が増えればノルマの枚数が多くなるとされる。ノルマを達成できない議員もいる中、安倍派ではノルマを大幅に超えて販売していた議員が複数おり、キックバック分が1千万円を超えていたという。
 岸田文雄首相は4日の自民党役員会で、安倍派の問題について「国民に疑念を持たれるとすれば遺憾だ。状況を把握しながら党としての対応を考えていく」と述べた。
 安倍派の事務方らは特捜部の聴取に対し、不記載に至った経緯などを説明しているとみられる。
 特捜部は今後、派閥内での手続きだけではなく、キックバック分が多い議員側に収支報告書に記載しなかった経緯を確認していくとみられる。
 安倍派の収支報告書には、パーティー収入は22年までの5年間で計約6億6千万円と記載されていた。