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脳発達に食習慣影響か/京大、幼児の腸内細菌調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 感情のコントロールが苦手な幼児は特定の腸内細菌を多く持つことが分かったと、京都大の明和政子教授(発達科学)らのチームがこのほど国際学術誌に発表した。野菜の摂取頻度が低く、偏食の傾向も確認された。腸内細菌は食習慣が影響し、3~5歳に基盤が形成されて生涯変わらないといい、チームは幼少時の食習慣が脳の発達に影響する可能性があるとみて研究を進める。
 全国の保育園や幼稚園に通う3~4歳の257人を対象に、腸内細菌や1週間以内の食事、偏食の有無を調べたほか、63項目にわたる幼児の日常の問題行動に関するアンケートした。
 「かんしゃく持ちで、怒りを爆発させる」や「気分が頻繁に変化する」といった感情制御に関する項目で「よくみられる」「時々みられる」との回答が多かった26人の幼児は、そうでない幼児と比べて「アクチノマイセス属」などの菌が多かった。うち半数以上が偏食で、カボチャなどの緑黄色野菜の摂取頻度が低い傾向も確認された。  成人を対象とした研究では、うつなどの精神疾患と腸内細菌が関係している可能性が指摘されている。